Report…2011

2011-10-04

トゥルーヴィルの海岸にいるアニックに捧げます。

この素晴らしい書物は私の友人アニックが彼女が体調を崩し刺繍ができなかった時に
「あなたならきっと何か作ってくれるでしょう」と私に手渡してくれたものです。
彼女もまた家でこれを見つけたというロシア人の友人から「刺繍家さん!きっとあなたなら何か作ってくれるはず!」と
彼女から譲り受けたのでした。
これらの刺繍チャートは彼女のおばあさんが若い頃ロシアからフランスへ逃れて来る際に
他の身の回りのどの貴重品よりも大切に持ち出すことを選んだもので、その時家族は理解に困りました。
でも彼女は決して諦めずにそれらのチャートを、祖国を離れた逃亡生活は辛いものになると
十分承知していた彼女は将来の刺繍製作への安らぎの想いを祖国から一緒に持ち出したのでした。

今回はこれらの18の刺繍チャートを私が譲り受けた時と同じようにオリジナルのカラーで
今度は私からみなさんへお譲りする番なのです。
私が初めてこれらを見た時に感じたあの気持ちをみなさんにも感じて頂きたく
あえてなにも手を加えずにそのままご紹介いたします・・

そして「あなたならきっと何か作ってくれるでしょう。」

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長文を載せました。
自宅教室にお通いのTさんより「先生ご覧になる?」とお借りした画像左のクロスステッチのチャート集の
素敵なカバーをあけた瞬間に目に入った全文です。
「あなたならきっと何か作ってくれるでしょう。」痛く感動してしまいました。
「先生なら使って下さる。」なんて口々におっしゃり沢山の資料やパターンが私のところに舞い込みます。
ロシアからフランスを抜け、はたまたノルウェーハルダンゲルから、先日いただいた資料は大英帝国時代の1860年のもの、
イタリアからはRAKAMの本が、フランスのクロスステッチの図案が・・・・・etc

先日自宅にいらしたFさん、「2年で1作作る計算であと30年刺しても15作しか仕上がらない!
先生どうしよう!」と言っておられました。大丈夫何せ200年計画ですから・・・?!
「あなたならきっと何かを作ってくれるでしょう。」を生徒さんに私からお出しします。
私のところに集まった資料をソースにして皆さんの刺したいものへと変化をさせて後世へ伝えていきましょう。